M-Audioのオーディオ・インターフェースを使えば、直感的にスタジオクオリティのレコーディングを行うことができます。

経験豊富なユーザーであっても、初心者であっても、時には入力音声が歪んでしまうような問題が生じることがあるかもしれません。

この記事では、M-Audio オーディオインターフェースの入出力、初期セットアップで発生する可能性のある問題のトラブルシューティングをサポートします。



トラブルシューティング


 ・ビデオシリーズ

   ・オーディオ信号と再生のトラブルシューティング  

   ・歪み、クリック音、ポップ音のトラブルシューティング


 ・システムのセットアップと管理

   ・ドライバーとアップデート

   ・バッファサイズ

   ・サンプルレート


 ・システムリソースのモニタリング

   ・ハードウェアのセットアップとゲインステージング

   ・ゲインステージング

   ・外部ハードウェアの接続と作業

   ・出力、メーター、モニタリングにおける歪み





ビデオシリーズ


  この記事をご覧になる前に、

  以下に説明する手順の一部を実演したビデオ・チュートリアルをご覧ください。

  各モデルによって機能は異なりますが、これらのトラブルシューティング手順は基本的に共通であること

  を覚えておいてください。



 オーディオ信号と再生のトラブルシューティング



 0:43 オーディオ環境設定を削除する (Mac) 

 

    macで接続されない、グリッチノイズが鳴る等の場合、オーディオの環境設定を一度削除する

    と解決する場合があります。

    Finder > 環境設定 > サイドバーの画面でハードディスクにチェックが入っていることを確認し、

    Finder > ハードディスク > Library > Preferences > Audio フォルダー内の二つの .plist ファイルを

    削除します。

    上部の「移動」タブよりメニューを開き、「Option」か「ALT」キーを押しながらメニュー内

    の Library をクリックします。

    もう一度 Preferences に進み com.apple.audio.AudioMIDISetup.plist ファイルを

    探して削除します。

    ゴミ箱を空にして削除を完了させます。

    再起動させて再び挙動をチェックしてみましょう。


 2:07 ドライバーやシステムの更新を確認する (Windows)


    Windows の場合、Windowsの設定メニューよりデバイスマネージャーを開きます。

    検索からも探すことができます。開けたらスクロールし、

    「サウンド、ビデオ、およびゲームコントローラー」をダブルクリックします。

    使用するオーディオデバイスが表示されます。黄色くアラートされている場合、

    接続している「M-Audio~」を右クリックしてプロパティを開きます。「全般」に「デバイスの

    有効化/Enable Device」がある際は中を確認し、進めて有効化させましょう。

    もし「デバイスの有効化」がなく、アラートされている場合、正しくOSに合った専用ドライバー

    を使用出来ているか確認しましょう。

    出来てない場合は https://mm-audio.com/support/drivers-search より

    お使いのインターフェースとOSを選んで対応しているドライバーをインストールします。

    インストールが完了したら再起動させて再びチェックしてみましょう。


 5:02 サンプルレートを確認する (Windows) 


    再生時に起きる音声トラブルについては、お使いのコンピューターとインターフェースの

    サンプルレートが合っていない場合があります。

    サンプルレートとは時間軸で見た音の解像度を指します。

    コントロールパネルからM-AUDIOドライバーを開いてサンプルレートを確認しましょう。

    44.1kHzが選択されていることを確認し、お使いのコンピューターのサウンド設定の詳細の

    サンプルレートとDAWの設定のサンプルレートを確認しましょう。

    コンピュータ自体の設定は、右下のスピーカーアイコンを右クリックしサウンドの設定から

    スピーカーを選択します。

    または、コントロールパネル内のシステム>サウンド>プロパティの入力形式で確認設定が

    出来ます。

    アプリとWindowsがデバイスをオーディオ用に使用することが許可されていることもご確認

    ください。


 6:51 バッファサイズとレイテンシーをチェックする(MPC SOFTWARE/MPC BEATS)


    Edit > Preferences > Audio/Devices にて確認、調整が行えます。マッチしていないと音に遅れ

    が出たりノイズなどの起因になります。

    一般的なサンプルレートは256~512に設定されています。

    サンプルレートとは時間軸で見た音の解像度を指し、高いほど音質は上がりますが、

    機器への負荷が増えるのでノイズや遅れ等の原因となります。

    適切な値を設定ください。



 歪み、クリック音、ポップ音のトラブルシューティング



 0:37  セットアップのソフトウェアをアップデートする


    お使いのDAWが最新版のものか確認しましょう

     Windows の場合はドライバーが最新版かも確認しましょう。

    (macの場合、ドライバーは必要ありません)


 0:58  M-Audio ドライバーの確認と更新 (Windows)


    Windows の場合は m-audio.com/support/drivers/ にアクセスし、お使いのインターフェースと

    お使いのWindowsのバージョンを選択し、「Show Results」をクリックし、

    利用可能な最新のドライバーを確認し、必要があればダウンロードを行います。

    ダウンロードした .exe file を開き、プロンプトに従いセットアップを行います。


 2:16  バッファサイズを調整する


    最新版のドライバーが確認できたらDAW上で確認も行います。

    ここでは仮にMPC Beatsを開き、Edit > Preferences 内の Audio Device を開き、サンプリング

    レート、バッファサイズを確認します。

    Audio Device Type をASIOに選択し、Deviceをご使用のインターフェースを選択すると

    サンプリングレート、バッファサイズを簡単に確認できます。

    バッファサイズはコンピュータの処理が間に合わなくなって問題が発生してしまうのを防ぐ

    ために、データを一時的に蓄えておくデータサイズとなり、低く設定すると処理速度が速く

    なりますが、その分CPUに負荷がかかりエラーが起こりやすくなり、

    ノイズや音の歪みの原因になります。

    逆にバッファサイズを高く設定するとレイテンシーが発生する原因となりますが、

    より安全でエラーが軽減されます。


 4:48  サンプルレートの調整


    サンプリングレートとは、時間軸で見た音の解像度のこと指し、最もポピュラーなサンプル

    レートとしてAudio CDの規格の44.1kHz が挙げられます。

    数値を上げると音の解像度はは上がりますが、CPU負荷が増え、処理落ちしたり、

    遅延が起きやすくなります。


 6:12  システムリソースの監視 (Windows)


    ノイズや遅延がある場合、タスクマネージャーからCPUの稼働率も確認してみましょう。


 6:58  システム・リソースのモニター (Mac)


 7:40  DPCレイテンシーのチェック (Windows)


 9:40  サウンド出力のモニター/トラブルシューティング

システムのセットアップと管理


  無音、弱音、クリックノイズ、ポップノイズ、などの音声トラブルはすべて、オーディオが

  コンピュータ、ソフトウェア、またはドライバーによって処理されている間に発生する可能性

  のある一般的な例です。

  どのシステムにも限界があり、歪み/ノイズ(さらにはクラッシュ)は通常、その限界に達した

  ことを示すものです。


  これらの問題を解決策の多くは、入出力のオーディオ信号を処理する速度を調整したり、

  システムが一度に処理する量を変更したりするだけで良いということです。


 ドライバーとアップデート


  まず、正しいドライバーがインストールされていることを確認してください。

  M-Audio AIRシリーズ・インターフェースは、macOSユーザー向けのクラスコンプライアント製品で

  あるため、このステップはWindowsユーザーのみに必要です


  Windows OSをご使用で、M-Audio AIRインターフェースのドライバーをまだインストールして

  いない場合は、

  M-Audio Drivers & Updates ページから、お使いのインターフェース・モデルの最新ドライバーを

  お探しください:


   1. m-audio.comDrivers, Firmware, & Software Updates Searchページに移動します。

   2. USB Audio and MIDI Interfacesを選択し、真ん中の列でお使いの製品のバージョンを、

     一番右の列でお使いのオペレーティングシステムのバージョンを選択します。

   3. Show Resultsをクリックすると、利用可能なドライバがDrive Updatesセクションに表示

     されます。

   4. リンクに従ってドライバーをダウンロードし、システムにインストールしてください。



  M-Audio AIR インターフェースをご登録いただいている場合、M-AudioアカウントのMy Products

  セクションに最新ドライバーへのリンクが表示されます。


  ドライバーのアップデートは、Windows OSの変更を考慮し、アップデートされてリリース

  されます。

  音の歪みやノイズが発生する前に、ドライバーがインストールされていた場合は、

  最新バージョンがインストールされているかどうかをご確認ください。

  ドライバーは、機能やステータスを確認するためのコントロールパネルの働きをします。

  M-Audio AIRインターフェースを使用する際にバックグラウンドで自動的に実行されますが、

  手動でアクセスして個別に機能をコントロールすることもできます。


  コントロールパネルを見つけて開くには、いくつか方法があります:


   1. Windowsの コントロールパネル > ハードウェアとサウンドを開きます。

     そこにM-Audio AIRシリーズ・デバイスのリストがあります。

     これをクリックすると、ドライバー・コントロールパネルが開きます。

   2. Windows スタートメニューのアプリリストの中からM-Audioフォルダを探し、

     その中にドライバー・コントロールパネルがあります。



  コントロールパネルが開いたら、以下にアクセスできます:


   1. ドライバー/コントロールパネルのバージョン

   2. Streaming Status - オーディオがインターフェースを通してアクティブにストリーミング

     されているかどうかを示します。

   3. Buffer Size - 詳細はバッファサイズセクションを参照ください。

   4. Sample Rate - 詳細はサンプルレートのセクションを参照ください。

     これがグレーアウトして変更できない場合は、アプリケーションが既にドライバを使用して

     いるか、インターフェースが接続されていないことを示しています。



  上記の手順で、M-Audio Drivers & Updatesページ、またはユーザーアカウントから、

  お使いのM-Audio AIRインターフェースの最新ドライバーをご確認ください。

  お使いのドライバー/コントロールパネルのバージョンと比較し、

  必要であれば更新されたドライバーをダウンロードしてインストールしてください。

  新しいバージョンをインストールする前に、以前のドライバーをアンインストールする必要は

  ありません。



 バッファサイズ


  バッファサイズは、コンピュータが入出力しているオーディオ信号を処理するために割り当てられる

  時間です。

  適切なバッファー設定は、お使いのコンピュータの性能に依存し、システムが一度に処理する量に

  応じて調整する必要があるかもしれません。つまり、時々調整が必要になる可能性があります。


 バッファサイズとレイテンシー


  バッファサイズとは、いわゆる "レイテンシー"(システムがオーディオを処理し、それを

  インターフェースやスピーカーやヘッドフォンに出力するのにかかる時間)と直結しています。

  レイテンシーは、すべてのデジタルオーディオ処理にある程度内在するものなので、

  目標は単純にそれを管理することです。


   ・バッファサイズが小さいということは、システムがオーディオをより速く処理し、

    レイテンシーが減ることを意味します。

    しかし、これはシステムにとってより大きな負担となり、エラーが増えることを意味します。

    システムに負荷がかかることにより問題が増え、音の歪みやエラー、オーディオ信号が完全に

    認識できなくなるまでに問題化するかもしれません。

   

   ・一方、バッファサイズが大きいと、レイテンシーは増えますが、コンピュータがオーディオを

    安全に処理する時間が増え、クリックノイズやポップノイズ等を減らすことができます。

    プロジェクト内のプラグインの数、録音しているトラックの数、コンピュータがその時点で

    行っている他の作業(ビデオ処理/ストリーミング、開いている他のアプリケーションなど)

    はすべて、システム処理の一部を必要とします。

    これは、システムがオーディオを効率的に処理する能力に影響を与えます。


 

 バッファサイズの管理


  以下のような現象が発生した場合、バッファサイズを調整する必要があります:


   ・クリックノイズやポップノイズ

   ・時間の経過とともに激しい歪みが発生する(インターフェースを切断/再起動することで解決

    します)

   ・DAWやソフトウェアでエラーメッセージを出る、または、インターフェースが何らかの原因で

    接続が切断されている。


  これらの症状が発生している場合、ドライバーのコントロールパネルを開き、バッファサイズを大きくしてください。


  これはお使いのコンピュータのキャパシティとあなたが行っていることに起因するため、

  すべての場合に有効な設定はありません。ここでは、製品の良い部分を引き出し、維持するための

  ヒントをいくつか紹介します:


   1. まずは、バッファを256samplesに設定してください。それでもクリックノイズやポップ

     ノイズ、歪みなどの問題が解決しない場合は、バッファサイズを少し大きくして、再度

     再生して確認してください。

     バッファーを少しでも動かすと一時的にエラーが解決するようであれば、これは通常、

     バッファサイズが小さいことによって問題であったことを示します。

     引き続きソフトウェアで再生をチェックし、必要に応じてバッファを大きくしてください。

  

   2. バッファサイズを小さくすることは、レコーディングに最適です。

     なぜなら、レイテンシーが小さくなることで、演奏中に入力されるオーディオ信号をモニター

     しやすくなるからです。

     M-Audioのインターフェースを使用している間、これを補正する方法がいくつかあります:


     ・AIRインターフェースのダイレクトモニタリング機能を使えば、録音した信号をインター

      フェースから直接モニターすることができます。

      これにより、録音された信号がコンピュータに送られる前にそのサウンドをモニターする

      ことができ、レイテンシーをほぼなくすことができます。

      これを行うには、USB/Directノブを使用して、入力されるオーディオ信号とソフトウェア

      からの再生音のバランスを取ります。

      ノブをDirectに近づけるとオーディオ入力からの信号が多く聞こえ、USBに近づけると

      コンピューター/DAWからの再生信号が多く聞こえます。


     ・DAWでモニタリングしたい場合は、プラグインの使用数を減らし、トラッキング中は他の

      ソフトウェアを終了してください。そうすることでレコーディング中のバッファサイズを

      小さく設定することができます。


   3. プロジェクトがミキシングの段階であれば、バッファをかなり高めに設定することを心がけて

     みてください。そうすることで、プラグインやトラック、オートメーションなど、システム

     がミックス作業で必要とするあらゆるものを追加するスペースが生まれます。

     この時点では録音したものを再生するだけなので、レイテンシーはそれほど重要では

     ありません。

     あなたが聞く再生音は、あなたがコンピュータのスクリーンで見るものより遅れますが、

     オーディオ信号はより良い音になり、システムはよりスムーズに動くようになります。



 サンプルレート


  オーディオの歪みのもう一つの要因として挙げられるのは、サンプルレートです。


  サンプルレートは、サウンドが1秒間に何回サンプリングされるかの値となります。

  この場合の "サンプル "とは、特定の瞬間の音そのもののスナップショットのようなものです。

  ビデオカメラが光を一連の画像にしてビデオにするのと同じように、オーディオサンプルは選択

  されたレートで取得され、デジタル形式でつなぎ合わされます。

  サンプルレートが高ければ高いほど、短時間でより多くの音の "サンプル "を取ることができ、

  より詳細で忠実度の高い音になります。

  しかし、サンプル数が多いということは、ファイルサイズが大きくなり、システムにとっての負担が

  増えるということです。

  コンピュータは、そのレートでオーディオをキャプチャして変換するために、より速い動作を必要

  とします。


  参考までに、CDのオーディオ再生や、民生用オーディオの標準サンプルレートは44.1khzです。

  これは1秒間に44100サンプルのオーディオです。

  M-AudioのAIRシリーズ・インターフェースは、192khzという標準レートの4倍以上のレートで

  オーディオをサンプリングすることができます。

  これは非常に再現度の高いレートであり(高すぎるという意見もあるかもしれません)、

  このレートでオーディオを処理する理由、あるいは処理しない理由はたくさんあります。

  それがどのように機能するかを十分に知ることは、あなたのプロジェクトをスムーズに進行させる

  ためにに役立ちます。


  オーディオの歪みとどう関係があるのでしょうか?

  再生中にポップノイズやクリックノイズが発生する場合、サンプルレートが(バッファサイズ、

  プロジェクトサイズ、その他システムで行っていることとの組み合わせで)、

  システムの限界以上に処理を課せている可能性があります。

  サンプルレートで重要なのは、システムに入ってくるオーディオと出ていくオーディオだけでなく、

  その間でオーディオがどのように処理されるかということです。


  バッファサイズとは異なり、サンプルレートはオーディオファイル自体に固有なので、

  その場で変更するのは簡単ではありません。

  オーディオがすでにプロジェクトに存在する場合、またはインターネット上でオーディオを

  ライブストリーミングしている場合(例:twitch)、

  サンプルレートを変更することは、いずれかになります:


   1. オーディオの再生速度を変更します(サンプルレートの違いによって速くなったり

     遅くなったりします)。

     Twitch、Discord、Facebook、その他のホストを通じてライブオーディオをストリーミング

     している場合、ストリーミング中にサンプルレートを変更すると、

     ホストアプリケーション内で同じサンプルレートに設定するか、

     アプリケーションを再起動するまで、再生速度が異なります。

 

   2. プロジェクト内のオーディオファイルを、新しいサンプルレートで再度変換する必要が

     あります(ほとんどのDAWソフトウェアは、サンプルレートの変更に気付くと、

     そうするように要求します)。

     一般的に、低いサンプルレートに再変換することは問題ないと考えられていますが、

     元より高いサンプルレートにしても、より良いサウンドのファイルを作成することにはなり

     ません。


  バッファサイズとサンプルレートの両方について、これらの設定はドライバー/コントロール

  パネルとオーディオソフトウェアの両方で調整ができることに注意してください。

  ストリーミング・プラットフォームではこれを設定するオプションはなく、起動時にオーディオ

  デバイスのサンプルレートがデフォルトになります。

  そのため、事前に設定していなかったり、突然変更したりすると、サンプルレートが一致しない

  可能性があります。



 しかし、どのサンプルレートを選べばいいのだろうか?


  一般的に、44.1khzまたは48khzは十分な再現度を持ち、事実上どのような現行のコンピューター

  システムでも効率的に処理することができます。


  96khzは次のステップアップで、一般的にクラシック音楽など、より高い忠実度とダイナミクスを

  必要とするアコースティック・レコーディングに使用されます。

  お使いのコンピュータが高速プロセッサと少なくとも16GBのRAMを搭載している場合、

  これはどのようなスタイルの音楽にも使用することができますが、

  場合によっては、そのメリットには議論の余地があるでしょう。

  ただ一つ確かなことは、すべてのオーディオファイルを保存するために、2倍のハードウェア

  スペースが必要になるということです。


  システム・パフォーマンスをモニターし、高いサンプルレートでシステムに余分な負担をかける

  価値があるかどうかを判断するのに役立つツールが、ソフトウェアには用意されていることがあり

  ます。

  以下に、ポピュラーなDAWや音楽制作ソフトのシステムモニタリングの説明へのリンク

  を集めました:




システムリソースのモニタリング


  音の歪みがコンピュータに起因しているかどうかを知る確実な方法は、

  システムのリソースモニター(CPUへの負荷)をチェックすることです。

  オーディオインターフェースはデータを処理し、バッファサイズやサンプルレートなど、

  いくつかの要因によって決められた速度でコンピュータに送信します。

  システムがその情報を十分な速度で処理できない場合、音の歪みが発生する可能性があります。


   現在のシステムリソースを確認するには


    ・Windows - Windowsリソースモニター 

    ・Mac - macOSアクティビティモニター


  これらは現在のCPU使用率、物理メモリ、ディスク容量、および各アプリケーションがこれらの

  リソースをどれだけ使用しているかを表示します。

  これらのアプリケーションでCPU使用率と物理メモリが100%に達しているか、

  あるいは近づいていることが表示された場合、この記事で前述したように、負担を軽減するための

  対策を講じる必要があるかもしれません。



 ハードウェアのセットアップとゲインステージング


 ゲインステージング

  

  特定の入力デバイスからのみ歪みが発生する場合、その問題はゲインステージングに関係している

  可能性があります。

  ゲインステージングとは、オーディオ信号を数段階のゲインを通して最適化するプロセスです。

  より簡単に言えば、ボリュームとゲインのノブがすべて適切に調整されていることを確認し、

  ノイズ・フロアを低く保ち、信号に歪みがないようにすることです。

  0dbを超えてクリッピングされていないかの確認作業もそのひとつです。 

 

  適切なゲインステージングを行うことは、信号に歪みやクリッピングを発生させることなく、

  正しく安定した音信号を得るための重要な要素です。

  例えば、複数のデバイスを使用し、その全てのデバイスに可変のゲインコントロールがあると

  します。

  デバイスには、インストゥルメント、コンプレッサー、イコライザー、さまざまなタイプの

  モジュレーション等のエフェクトが含まれます(プラグインもデジタルでゲインを追加できることを

  留意しましょう)。

  ゲインはデバイスやプラグイン間で比較的共通したパラメーターなので、使っているものすべてに

  ゲイン・パラメーターがあるという状況に陥るかもしれません。

  強くて明確な信号が欲しいから、ゲインを上げようと直感的に思うかもしれませんが、

  そうとは限りません。

  では、これを避けるにはどうすればいいのでしょうか?

  適切なゲインステージングを行いましょう。


  すべてのゲインステージの合計が最終的に出力信号となるため、各ゲインステージも確かに

  重要ですが、最初のステージは、いわば残りのゲインステージのトーンを設定することになるため、

  見過ごすことはできません。AIRシリーズが初段(オーディオソースを接続する段階)であると

  仮定すると、質の高い入力信号から始めることが最も重要です。

  AIRシリーズのメーターは、各チャンネルに入力されている信号を視覚的に表示します。

  ゲイン・ノブは、この信号を減衰させるために使用され、マイクであれ楽器であれ、特定の入力

  ソースにちょうど良いレベルを見つけます。

  それに続く各ゲインステージは、信号をブーストしすぎてディストーションやクリッピングの

  領域に入ってしまう可能性があります。

  ゲインステージを適切に設定することで、クリアで動作可能な信号が残ります。

  あるステージで信号がクリップし始めると、クリッ ピングは後続のすべてのステージ

  にも持ち越されます。


  DAWでプラグインを使用する際に覚えておいてほしいことがあります。

  「使用するプラグインによっては、出力レベルだけでなくゲインレベルもあります。

   これらは同じものではありません」

  このことを説明するために、ギター・アンプを例にしてみましょう。

  ゲイン・コントロールとマスター・ボリューム・コントロールの両方があるアンプは珍しくあり

  ません。

  ゲイン・パラメーターを上げると、信号が途切れるギリギリまでプッシュされ、最終的には

  オーバードライブよりも歪んだ信号になります。

  ゲインを上げると、文字通り音量レベルは上がりますが、信号が途切れる寸前の到達できる

  ボリュームを探りましょう。

  夜中に隣人を起こしてしまうような音量を出さずに、オーバードライブシグナルの音質を求めると

  したらどうしましょう?

  そこで役に立つのがマスターボリューム(プラグイン用語ではアウトプット)です。

  ゲインはサウンドの音色を形作るもので、マスターボリューム(出力)はゲインに影響を与えずに

  信号全体の音量をコントロールするものです。

  これと同じ原理が、あなたが使っているプラグインや、この種のゲイン・ボリューム・コントロール

  を持つ他の外部ハードウェアにも当てはまります。



 外部ハードウェアとの接続と作業


  パッシブ・ピックアップを使用するギターやベースなどの楽器は、標準的な1/4インチTSケーブルで

  AIRシリーズ前面の楽器入力に接続してください。

  パッシブ・ピックアップはローインピーダンスの信号となるため、ブーストする必要があります   

  (AIRの内蔵プリアンプがこれを行います)。

 

  アクティブ・ピックアップを使用するギターやベースは、その逆で、AIRシリーズ背面のコンボ・

  インプットに標準的な1/4インチTSケーブルで接続してください。

  これらの信号はすでに楽器内のプリアンプからブーストされているため、

  信号の追加ブーストは必要ありません。

  XLRまたは1/4インチTRSケーブルで接続するマイクやその他のライン接続の機器も、

  コンボインプットに接続してください。

  48Vファンタム電源を必要とするマイクを使用する場合は、必ず+48Vスイッチを有効にして

  ください。


  入力デバイスを接続しても、入力自体が非常に小さい場合、AIRシリーズは-20dBメーターのマーク

  あたりで信号を認識するか、あるいはまったく認識しないかもしれません。

  その場合は、ゲインを上げてください。2つのことに気づくはずです:


   1. 信号の音量が上がる

   2. インプットメーターのライトがトップ / CLIP に近づいている。


  逆に、入力が赤いランプのすぐ上までジャンプしてCLIPに当たっているのを確認したら、

  信号がクリッピングしなくなるまでゲインを下げてください。



 出力、メーター、モニタにおける歪み


  モニター出力に歪みやノイズ(ポップ音、クラック音など)がある場合、いくつかの原因が

  考えられます。


  1. ゲインステージをチェックしてください。

    メーターが赤く点灯している場合、何かがクリッ プしています。

  2. システムの出力ボリュームをチェックしてください。システムのボリュームが100%に固定

    されている場合は、10~20%程度下げて、信号のヘッドルーム(平均音量とクリップする

    までの余白)を増やしてください。

  3. AIRシリーズ・インターフェースは、一般的なオーディオ・インターフェースよりも少し出力の

    振り幅が大きめに設計されています。

    USB/DirectノブをすべてUSBに設定したときに、出力に不要なオーディオ・アーティファクト

    (音声の圧縮処理で圧縮率を上げた場合等に発生するノイズ)が発生する場合は、

    ノブをUSBから少し離して、信号のヘッドルームを増やしてください。


  音信号にノイズや歪みが発生する理由はたくさんあります。

  インターフェースではなくシステムから来るノイズを解決するヒントについては、

  記事の一番上とバッファサイズのセクションを必ずチェックしてください。