Headrush 製品で最も人気のある機能の1つは、インパルス・レスポンス(IR)を使用できることです。IRとは、スピーカーがどのように音を鳴らしたかを録音したものです。簡単に言えば、1つの音の中にある高音と低音、音の存在感、そしてエフェクトの特性を記録したオーディオファイルを指し、その瞬間に流れている一枚の絵のようなものだと考えてください。


このガイドでは、IRとキャビネット・シュミレーションとアンプ・クローンの違いについて、IRの適切な使用箇所、IRがセットアップに与える影響について、基本的なことを少し説明します。


目次



アンプ・クローン vs. インパルス・レスポンス

アンプ・クローンとインパルス・レスポンス(IR)はいずれも、音がアンプをどのように通過するかを測定するために録音されたものであり、それをどのようなセットアップで録音するかは非常によく似ています。


アンプ・クローンはアンプが音に与える影響を3次元的に表現したもので、アンプが音に与える影響を操作するためにはある程度の処理が必要です。アンプがサウンドに与える影響を模倣することで、サウンドをドライブし、実際のアンプと同じようにサウンドを操作することができます。


これに対してIRは、録音時の音色で設定されます。スピーカーのレスポンスをアンプによって歪ませた場合、スピーカーのレスポンスを変えることはできません。サウンドの特定の部分を強調するためにイコライジングを行うことはできますが、それは全体に対する単純な補正なので、ファイルはそれほど多くの処理を必要としません。


アンプ・クローンとIRはいつ使うのか?


IRの使用自体は一瞬で、最終的なサウンドの全てを決めるものではありません。

一方、アンプ・クローンは、あなたのサウンドをドライブするプロセッサーであり、あなたが望むサウンドに増幅し、調整します。最終的には、できる限りゲインを追加しようとする特性によりフィードバックを誘発します。 


コンボのアンプ・クローンが完成したら、クローンをダブルタップしてキャビネットの電源を切ってみてください。その後IRを追加して、どんな新しいトーンが得られるか試してみてください。


キャビネット・シュミレーション vs. インパルス・レスポンス


キャビネット・シミュレーションとはインパルス・レスポンス(IR)のデジタル版に相当するもので、IRのエンジニアリングの側面を担うことを目的としています。スピーカーのレスポンスがマイクでどのように拾うか、使用するマイク、マイクの位置などです。これらは、あなたが探している音になるまで、無限に微調整し、編集することができます。


IRはレコーディング時にアンプでドライブされた音であり、特にアナログのウォームネスを加味していますが、どのように録音されるべきかの詳細に細かく注意を払うエンジニア達にとって、しばしば議論されます。


どのような場合にIRとキャビネット・シミュレーションを使い分けるのか?


その質問は個人的な好みによりますが、あなたが求めているサウンドの理想像があるのであればIRを使った方が早いかもしれません。自分だけのオリジナルなトーンを探しているのであれば、自分の好みに基づいてキャビネット・シミュレーションを試行錯誤してみるのは良い方法です。今使っているリグで聴こえている音に、何かが足りないと感じる時は、全く違うセットアップのIRを試してみてください。何かキャラクター性に欠けていると感じたら、別のマイク・セットアップでのキャビネット・シミュレーションを試してみてください。


Headrush 2.5以降、IRとCab Simsをダブルにする機能は、すべてのHeadrush FXボードに共通の機能となっています。これが意味するのは、2つの異なるキャビネット・シミュレーションを2つの異なるマイク・セットアップで実行し、完全に自分の管理下でオリジナルのトーンを作り出せるということです。同様に、同じアンプに対して2つの異なるIRスナップショットを持つIRパックを持っている場合、それらを同時に実行することで、スピーカーのトーン特性のより深みのあるイメージを作成することができます。


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